終の住処を整える:お花いっぱいの部屋に、生き物としての力強さを実感する

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花だらけの、この部屋に・・・

微熱が続いている・・・ホームの看護師の方からは日々、丁寧な現状説明を聞かせていただいている。
側にいられなくても、揺れ動く肉体と精神の流れが実感できる。

2月から母の呼吸状態を少しでも楽にし過ごせるよう、ホームの中で酸素吸入ができるように手配してくださった。
これで不快な症状が出てきても幾分、緩和できるに違いない。
積極的な治療は現段階ではなされなくても、医療者や介護者の経験上得ることができたベストな方法がきめ細かく選択される。

朝から私はお花屋さんに出向いて「ピンク系のアレンジフラワー」をオーダーした。
母の住処を花だらけにできるとよいけど・・・

原則的にはナマモノの持ち込みは難しい。
けれど面会のたびに手入れできそうな花々であれば大丈夫だろう。
チューリップにガーベラ、カーネーション、アルストロメリア・・・春をイメージした花びらが密度を持って咲き誇っている。

花いっぱいの実家が蘇ってきた。
咲き誇ったマーガレットを思い出しながら・・・二人で会話する。

大いなる生き物の力

ピンクやオレンジの花々が母のベッドサイドで輝く。
本当に嬉しそうだ。
私が「どの花が好き?」と尋ねると、母は迷わず「全部!」と答える。

やっぱりそうだ。そういう人だ、と再確認する。
今、生きている。私も全ての存在そのものが生きている。
時間が生きている。花々が酸素を供給し、生かしている、私たちを。

私はアレンジフラワーの他に、スーパーで購入したアンパンマンの雛あられを持参している。
今までは食事制限があり、母に直接食べさせてあげることはできなかったけれど、開封せずに飾っておくくらいのことはできるだろう。

すっかり節分をスルーして、ひな祭りを夢見る母と私。

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