エッセイ:子離れの時期は迫っている「親子のカルガモから教わること」

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私たち親子の行方は?

愛犬gomaちゃんが、猛暑の中でも車に乗って遠出がしたいとせがんできます。
日曜の朝8時前・・・大きな木陰がある公園ならばかろうじてお散歩ができそう。

家人とgomaちゃんを乗せて軽自動車を走らせる。
乗車時間5〜6分くらいで目的地に到着するという恵まれた環境に私は暮らしています。
公園には自然がいっぱい残されていて隣接地には大きな池もあります。

いつも通りに駐車場に車を乗り捨てていると・・・
2匹の柴犬を連れた男性が、携帯のビデオで何かを撮影している。
どうも愛犬の姿を録画している風ではない。

家人が「あれ!」と指差す。
そこにはテレビの動物番組でよく観る「カルガモの親子」が道路を横切っている。

彼らは皆んなサイズが拳大のものではない。
よく見なければ親子の区別がつかなさそうなワンサイズ違いくらいの大きさ。

それでも先頭を切って道路から公園に移動する母の姿が確認できる。
どこか愛おしさを感じる。
このカルガモは私である。今の私の姿である。

この子たちを安全な場所に送り届けなくては・・・

道路にワンボックスカーがやってきた。
私は右手を全面に広げて「気をつけて!」とサインを送った。

ドライバーは笑っている。
車内から1枚写真をとって優しい運転をしながら去っていった。

まるで夢を見ているような感じだった。
この公園の存在を知ったのは50年くらい前だったと思う。
けれどカルガモの姿、それも親子の行列を見たのは初めて・・・
私たちは引き込まれるように最後尾をそろりそろりとついていった。

何か危険があったらガードしようと意気込んでいた。
けれど、母親としては彼女の方が先輩みたいで心得た安全なルートを知っている様子であった。

水がない場所が崖のようになっている。
まずは母ガモが着地し、次から次へと子ガモがジャンプする。

親は「怖くはないよ」と教えなくてはならないのだ。
子どもが巣立っていく。
新しい生活の場を探しながら一人一人旅立って行く。

自分らしく生きていく場所は一羽一羽が勇気と力を発揮して羽ばたいていかなくてはならない。

母ガモは空の巣に寂しさを感じることはないのだろうか?
時々、里帰りするくらいの何かを持ち合わせていたら大丈夫なのだろうか?

そのうち親子の違いがつかなくなるだろう。

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