心理学を学ぼう⑺：健康・医療に関する心理学（ストレスと健康）

2023年2月18日

hokenC

家事の合間を活用して「公認心理師完全合格問題集」をコツコツと解き始めています。当初は公衆衛生看護学と重複する部分があると少し自信ありげな感覚でいましたが、過去問ではやはり心理学の専門性が問われていることを実感しました。あと3ヶ月でどこまで追いつけるのかはわからない状態ですが、臨床心理学については自発的な動機で学び始めた経緯があったと思います。勉強はやり始めると必ず楽しくなってくるはずなので、真摯に現状を受けとめながら基礎的な内容を復習し、進めていこうと考えています。

ストレスと健康：誠信心理学辞典 [ 新版 ] P636-638

三つのアプローチ

入力型アプローチ
- ライフイベントなどの生活上の変化をストレスと定義しています。
出力型アプローチ
- セリエの提唱した汎適応症候群で、生体の恒常性を脅かす物理的・化学的・心理社会的な刺激が加えられたときに起こる一連の反応（副腎の肥大、胸腺の萎縮、胃・十二指腸潰瘍）をストレスと呼んでいます。
ストレスを個人と環境との相互関係の視点で捉えるアプローチ
- ラザルスとフォルクマンが提唱した心理学的ストレスモデルがその代表で、個体がストレスフルと認知した刺激を心理的ストレスと呼んでいます。

コーピングとは

心理的ストレスを引き起こしている状況（ストレッサー）を処理し改善することを目的として、意識的に行われる行動的・認知的努力のことをいいます。

問題焦点型対処

体験している刺激状況の直接的解決を目的としています。

情動焦点型対処

刺激によって生起した情動の調整を目的としています。

環境側の要因

持続期間
予測可能性
コントロール可能性

個体側の要因

ストレッサーに関する先行経験
コーピング
パーソナリティ

コンフリクト

欲求を満たす目標が複数ある時に、なかなか行動に踏み出すことができない状態のことをいいます。

コンフリクトには

接近ー接近コンフリクト：二つの目標がほぼ同じ魅力をもち、どちらにも決めかねる状態
回避ー回避コンフリクト：逃れたい目標が二つあり、どちらからも簡単には逃れられない状態
接近ー回避コンフリクト：一つの目標に魅力的な面と魅力的でない面の両方があり、行動が開始できない状態

心理学的ストレスモデル

ラザルスとフォルクマンが提唱したストレスモデルで、刺激の意味と刺激へのコーピングが鍵概念となっています。
ストレスフルな刺激は心理的ストレスとなって、不安や怒りなどの急性ストレス反応を引き起こします。
うまくストレスが処理されるとコーピングの過程は終了しますが、うまく処理できないとコーピングは継続されます。

認知的評定 ⇨ 急性ストレス反応 ⇨ コーピング ⇨ 認知的（再）評定　というサイクルが長期化した結果、心理面・身体面・行動面に生じた様々な悪影響のことを、慢性ストレス反応といいます。