心理学を学ぼう(14):心理検査 ②【質問紙法・作業検査法・神経心理学的検査】

睡魔と戦うポメチワの小型犬
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今回は質問紙や作業検査、認知症や高次脳機能障害に対するアセスメントについて勉強しました。内容的には、それぞれアウトラインのみのまとめになっています。もっと詳しく復習したいな〜という印象です。

サイコロジスト

医療現場で勤務している場合であれば、とても馴染みのある項目が多いと思います。可能な範囲で検査で使用される質問事項や、検査器具について調べておくと、臨床現場がイメージしやすくなると感じます。

gomagoma

いろんな種類の検査があるんだね。

目次

質問紙法検査:標準テキストP201〜

CMI:コーネル・メディカル・インデックス

ブロードマンらによって作成された、身体面と精神面に関する症状を広範囲かつ簡潔に調査することができます。

GHQ:GHQ 精神健康調査票

ゴールドバーグにより作成され、精神障害症状や神経症症状の有無をスクリーニングするために使用します。

UPI:学生精神的健康調査

全国大学保健管理協会により作成され、主に大学新入生を対象に、精神的健康状態をスクリーニングするために使用します。

IES-R:改訂・出来事インパクト尺度

旧 IESの侵入症状7項目、回避症状8項目目の15項目に、過覚醒症状6項目を追加し、旧 IESの睡眠障害を入眠困難と中途覚醒の2つに分けて22項目で構成されています。

LSAS-J:リーボヴィッツ社交不安尺度

社交不安症(SDA)の標準評価尺度で、24の状況に対する恐怖感・不安感の程度、回避の程度を評定します。

Y-BOCS:エール・ブラウン強迫尺度

強迫症(OCD)の強迫観念や強迫行為の重症度に関する標準評価尺度で、10の項目から、費やす時間、関連する苦痛、機能障害、抵抗性、強迫観念や強迫行為の制御について評価します。

BACS-J:統合失調症認知機能簡易評価尺度

統合失調症の認知機能を評価する尺度で、言語性記憶、ワーキング・メモリ、運動機能、注意、言語流暢性、遂行機能の6つの下位検査から構成されています。

バーセルインデックス

ADLについて、自立しているか、部分的にあるいは全介助が必要かの評価をする評価方法で身体動作と移動動作に関して、全10項目を評価します。

グラスゴー・ゴーマ・スケール(GCS)

意識の覚醒の度合いを分類したもので、開眼・言語反応・運動反応の3つに関して点数化したもので、点数が低いほど意識障害が重いことになります。日本ではJCSを使用しています。

作業検査法の性格検査:標準テキストP202〜

内田クレペリン精神作業検査

クレペリンの研究をもとに内田勇三郎が作成しました。
単純な計算を連続して行い、作業曲線のパターン(曲線累計)を捉え分析します。

神経心理学的検査:標準テキストP202〜

COGNISTAT:コグニスタット認知機能検査

高次脳機能障害や認知障害を持つ患者に対して使用する簡便な検査です。

レーブン色彩マトリックス検査

高次脳機能障害の他、認知症の評価にも用いられることがあります。
言語を必要としない検査で、コース立方体テストも同様に実施可能です。

日本版リバーミード行動記憶検査

日常生活状況で必要となる記憶能力を評価し、重症度や治療・リハビリによる変化を見ることができます。

三宅式記銘力検査

対となる2つの言葉と関係の無い2つの言葉それぞれ10対を口頭で伝え、どれだけ再生出来るかをみる言語性の記憶検査です。

ベンダー・ゲシュタルト・テスト

ベンダーによって作成されたテストで、9個の幾何学模様を模写してもらい、描かれた図形を分析し、発達や神経機能の評価をすることが目的となっています。児童に対してはコピッツ法、成人にはパスカル法という採点方式を使用します。

ベントン視覚記銘検査

ベントンによって作成され、幾何学模様を数秒間提示した後、直後にその模様を同じように描いてもらう検査です。視覚的な認知・記憶・構成能力を評価します。

WAB失語症検査

失語症の分類や重症度を評価します。失語症の評価の他にも、大脳皮質指数を算出することも可能です。

ストループ・テスト

その単語が指し示す色とは異なる色で彩色された文字に対して、文字が彩色された色の名前で回答を行うテストです。実行機能と選択的注意を測定します。

トレイル・メイキング・テスト

実行機能や注意機能の評価に使用するテストで、散りばめられた数字やひらがなを線で繋ぎます。

ウィスコンシン・カード・ソーティングテスト

前頭葉機能や実行機能を評価するテストで、カード分類の正答数、ルールが変更された際の対応できるまでの時間などを測定します。

改訂長谷川式認知症スケール

長谷川和夫によって作成され、年齢や日時・場所の見当識など全9項目の質問で構成されています。30点満点で、20点以下で認知症とされます。

MMSE:ミニメンタルステイト検査

見当識や記憶、注意、言語能力などの全般的な認知機能を評価し、スクリーニングとして使用します。30点満点で、23点以下で軽度認知症、14点以下で重度認知症の疑いがあります。

MSQ

全10項目の質問で構成され、認知症の状態が重度である際に利用します。

N式老年者用精神状態尺度:NKスケール

被験者に対する質問ではなく、日常生活の行動の観察や家族の聞き取りから重症度を5段階で評価します。

アルツハイマー病評価尺度:ADAS

アルツハイマー型認知症の言語・認知機能を評価します。何度か実施し、病態の変化を見るために利用します。

文 献

公認心理師試験対策研究会(2022)心理教科書 公認心理師 完全合格問題集 第1回〜第5回試験解説版, 翔泳社.
IPSA心理学大学院 予備校(2022)公認心理師試験対策標準テキスト ’22~’23年版, 秀和システム.
下山晴彦 編(2014)誠信 心理学辞典 [ 新版 ], 誠信書房.

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