心理学人名事典:セリグマン[Seligman,Martin E.P.;1942〜]

セリグマン
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セリグマンはどんな人?

セリグマンはアメリカの心理学者。プリンストン大学を卒業し、ペンシルヴェニア大学で博士号を取得した後、コーネル大学を経てペンシルヴェニア大学の教授に就任しています。彼は人における帰属過程の研究など、実験心理学から臨床、社会心理学に及ぶ数多くの研究を行いました。

1998年度にはアメリカ心理学会会長も歴任しています。

セリグマンの業績・理論とは:ポジティブ心理学を提唱

イヌを被験体として実験研究を行い、うつ病の行動学的モデルを提唱し、抑うつ的な状態は学習されるとして「学習性無力感」という概念を提案しました。

学習性無力感とはどんなこと?

強制的・不可避的な不快経験や、その繰り返しによって「何をしてもどうにもならない」「自分にはこの環境を変える力なんてない」といったネガティブな感覚に支配されることになります。そして次第にいろんな問題を解決する試みをどんどん放棄してしまうことにつながって前向きな生き方ができなくなります。
この感覚を「学習性無力感」といいます。

実はこの「学習性無力感」は犬を利用した実験によって見い出された概念です。
愛犬家の私にとっては辛い実験なのですが、人に置き換えてもいえる結果が出ています。

実験には2つのグループに分けられた犬が用いられました。
犬は不快な電気ショックが与えられますが、片方の逃避可能群の犬には、電気ショックが与えられるとそこから逃げ出すことができる形になっています。一方、逃避不可能群の犬は、逃げることができないようなベルトを着けられ、電気ショックを与えられても、ただただそれを受け続けなければなりませんでした。
結果、逃避不可能群の犬は、いつでも逃げ出せる状態になっても、電気ショックの合図を聞いただけで、ただただそれを受け続け、うずくまっていたというのです。
犬は「自分は何をやってもどうにもならない・・無駄だ」と強く感じたのでしょう。
このネガティブな学習によって身についた感覚こそが「学習性無力感」ということになります。

マーティン セリグマン 5つの幸福:PERMA理論

PERMA 理論 には、ウェルビーイングを高めるための5つの要素があります

P ( Positive Emotion )快楽

E ( Engagement )没頭

R ( Relationships )良好な人間関係

M ( Meaning )意味合い

A ( Achievement )  :達成

サイコロジスト

ポジティブ心理学では、幸福感、達成感、満足感などに着目しています。幸福度に関しては PERMA の有りようが大切だと考えられています。

文 献

福島 章 編(1996)精神分析の知 88, 新書館.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(1999)カウンセリング辞典, ミネルヴァ書房.
中島 義明・子安 増生 他 編(1999)心理学辞典, 有斐閣.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(2004)心理臨床大事典 改訂版, 培風館.
下山 晴彦 編(2014)誠信 心理学辞典 [ 新版 ], 誠信書房.
IPSA心理学大学院 予備校(2022)公認心理師試験対策標準テキスト ’22~’23年版, 秀和システム.

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