ニーチェはどんな人? 〜哲学大図鑑(ウィル・バッキンガムほか 著)より〜
ニーチェは1844年にプロイセンで信仰心のあつい家庭に生まれ、彼の父も叔父も祖父も全員ルター派の牧師だったといいます。ニーチェの家族は父と弟が亡くなっており、母と祖母、二人の伯母に育てられたといいます。
ニーチェは24歳の時にバーセル大学の教授となり、そこで作曲家のワーグナーと出会い反ユダヤ主義(ワーグナーの)のために二人の交友を断ち切る時まで深く関わりがありました。1870年にはジフテリアと赤痢に、1879年には大学の職を辞して、10年間ヨーロッパの旅に出かけています。しかし1889年に街頭で鞭打たれた馬を助けようとした時に発症し、その後さまざまな精神疾患を患い、治ることなく1900年に亡くなっています。
ニーチェの著書: 〜人間とは、のりこえられるべきなにかだ〜
主な著書
- 「悲劇の誕生」(1872年)
- 「ツァラトゥストラはかく語りき」(1883〜1885年)
- 「善悪の彼岸」(1886年)
- 「偶像の黄昏」(1888年)
こんな論文がありました
「深層心理学に基づく臨床心理学からのウェーバー、ニーチェの心理と精神障害について」
フロイトやユングは、ニーチェの哲学の中に自分たちが探求した無意識世界の働きを見ている
(論文の内容を抜粋)
もともとキリスト教は、人間の深層心理を直視しない傾向がある。それは、ユダヤ教に始まる神と人間の二元論があるからである。したがって、人間の衝動性を含めて全体的に考察するという心理学が西洋では、ニーチェまでは誕生しないのである。そこで、ニーチェは自分の前には、心理学はなかったといい、自分を「心理学者」と言うのである。ニーチェ以前の心理学を生まない西洋の人間観は、キリスト教がもたらしたとニーチェは考えている。
福島 章 編(1996)精神分析の知 88, 新書館.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(1999)カウンセリング辞典, ミネルヴァ書房.
中島 義明・子安 増生 他 編(1999)心理学辞典, 有斐閣.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(2004)心理臨床大事典 改訂版, 培風館.
下山 晴彦 編(2014)誠信 心理学辞典 [ 新版 ], 誠信書房.
IPSA心理学大学院 予備校(2022)公認心理師試験対策標準テキスト ’22~’23年版, 秀和システム.
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