心理学人名事典:ルリア[Luria,Alexander Romanovich;1902〜1977]

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ルリアはどんな人?

ルリア

ルリアはロシアの心理学者で、モスクワ国立心理学研究所の教授として就任した人物です。コルニロフの反応学の方法論では情緒的反応の研究を試みましたが、早くから英訳された出版物だったため、国外でよく知られた心理学者の一人だったといいます。

1945年にはモスクワ大学の心理学教授に就任し、2年後に「外傷性失語症」を発表しましたが政治的圧力で、ここも辞めざるをえなくなりスターリンの死後、ソ連の政治状況が緩和された後になって再びモスクワ大学教授として活動を再開しました。

ルリアの業績・理論:
病理的な心理的メカニズムに関心を示し、診断的・治療的研究を客観的方法で試みました

彼は、神経心理学の草分けの一人とみなされており、失語症と子どもの精神発達における言語の役割に対する先駆的研究によって、名声はソ連国外において高まり、ソ連においてもリハビリテーションの第一人者として有名になりました。

ヴィゴツキーらと共に文化歴史心理学を創設し、失語症や共感覚に対する個別的な臨床観察・症例研究を通して、高次の精神機能に関する独創的な著作を残しました。

モスクワの脳外科研究施設に勤め、脳損傷などから得られる医学的知見と心理学とを融合した学問分野である神経心理学を創始しました。

文 献

福島 章 編(1996)精神分析の知 88, 新書館.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(1999)カウンセリング辞典, ミネルヴァ書房.
中島 義明・子安 増生 他 編(1999)心理学辞典, 有斐閣.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(2004)心理臨床大事典 改訂版, 培風館.
下山 晴彦 編(2014)誠信 心理学辞典 [ 新版 ], 誠信書房.
IPSA心理学大学院 予備校(2022)公認心理師試験対策標準テキスト ’22~’23年版, 秀和システム.

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