キルケゴールはどんな人? 〜哲学大図鑑(ウィル・バッキンガムほか 著)より〜
セーレン・キルケゴールは、1813年にコペンハーゲンに生まれました。この時代はデンマークの文化的黄金時代で、父親は裕福な貿易商だったといいます。彼の父は敬虔さと憂鬱気質を兼ね備えた人で、それはキルケゴールにも引き継がれ、彼の哲学に大きな影響を与えたと考えられています。
キルケゴールはコペンハーゲン大学で神学を学んでいましたが、哲学の講義にも出席していました。また後に多くの遺産を相続することになり、それを機に生涯を哲学に捧げることを決めたということです。1837年にはレギーネ・オルセンと出会い、恋に落ち3年後に婚約しましたが、翌年に憂鬱気質のせいで結婚生活を断念し婚約解消しています。
キルケゴールの言葉
決断する時、私たちには選択の絶対的自由がある。
私たちはその時、何もしないことを選ぶことも、何かをすることを選ぶこともできると気がつく。
私たちの精神は、この絶対的自由の思想に直面して混乱する。
不安は自由の眩暈だ。
人には2種類の異なった恐怖がある。
ひとつは落下への恐怖、もうひとつは縁の向こうへ身を投げ出してしまいたいという衝動によってもたらされる恐れだ。
キルケゴールの消しゴム:消してしまいたいものこそ、消し去られることなく残り続ける
食べたり、飲んだり、生きていくために必要なものは全て揃っている暮らし。
それでも時々、いえ常に不安と恐怖が襲ってくるのはどうしてだろう。
何もかも忘却して「何もないんだ」と告げてほしい。
こんな時、キルケゴールの消しゴムがあれば・・・
アナタとワタシの精神は、絶対的な自由な思想に直面して混乱する。
だからこの不安は「自由の眩暈」なのだろう。
シバリのない生活のとてつもない大きなシバリ。
gomagoma は今のところ、大きな混乱なく新しい小さな家の備品を収集している。
この平安な時間がこれからも流れ続けることを切に期待している。
と同時に、どこか遠くへ放散し、落下してしまうのではないか。そして・・・
危険なエリアに自ら侵入し、身を投げだしてしまうのではないかと・・・
自由な時間の流れには、眩暈を伴った恐怖がつきものだ。
生きるということが、こんなに危険に満ちたものであることを今まで意識することなく過ごしていた。
満開の花がいつまでも続く恐怖。
青葉が一斉に太刀狂う狂気。
それを知ることが大人になるということだったのかもしれない。
消してしまいたいものこそ、消し去られることなく残り続ける。
それを知っただけでも生きている価値はあるとgomagoma は思う。
キルケゴールの消しゴムとは何だったんだろう。
ジブンを生ききる困難と喜びは表裏一体なのかもしれない。
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