心理学人名事典:レヴィン[Lewin,Kurt;1890〜1947]

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レヴィンはどんな人?

レヴィン・クルト

ドイツで生まれ、アメリカで活動した心理学者です。1921年にはベルリン大学私講師(哲学及び心理学)となりました。彼はウェルトハイマー、ケーラー、コフカらによるゲシュタルト心理学の形成期にあい、強い影響を受けながら情緒や動機の問題について独自の領域を開拓していきました。

レヴィンの業績・理論

1935年にはアイオワ大学の児童福祉研究所に定職を得て、児童心理学の教授となりました。

1943年からはフィールド財団の援助により、マサチューセッツ工科大学で、グループ・ダイナミックス研究センターの創設に尽力し、1945年には所長となりました。彼の学問的立場は全体としてゲシュタルト心理学の中にありますが、独自性をよく示しており、場の理論、トポロジー心理学、アクション・リサーチ、グループ・ダイナミックス等に現れた特殊な概念はさまざまなものがあります。例えば、誘発性、要求水準、時間的展望、認知、構造、飽和、生活空間、集団決定、感受性訓練などがあります。

彼の理論は、パーソナリティや社会心理学の領域で影響を及ぼしたと考えられています。

集団に関する調査・実験・臨床研究がなされるようになったのは1920〜30年代のアメリカで、彼は社会心理学者として個々の事象を集団の構造との関係でとらえようとする〈場の理論:field theory〉を提唱しました。グループ・ダイナミクスによる主要な研究としては,集団の凝集性,集団圧力と集団標準,集団目標,集団移動,集団の構造的特性,リーダーシップなどに関する実験的分析があります。

文 献

福島 章 編(1996)精神分析の知 88, 新書館.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(1999)カウンセリング辞典, ミネルヴァ書房.
中島 義明・子安 増生 他 編(1999)心理学辞典, 有斐閣.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(2004)心理臨床大事典 改訂版, 培風館.
下山 晴彦 編(2014)誠信 心理学辞典 [ 新版 ], 誠信書房.
IPSA心理学大学院 予備校(2022)公認心理師試験対策標準テキスト ’22~’23年版, 秀和システム.

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