霊長類のアタッチメント
霊長類を母親から離すと、最初は抵抗するけれど後に絶望を示すようになります。そして最終的には感情を示さなくなってしまう。ボウルビィは、乳児−母親の1体1の関係の重要性を課題にしていたということで、他のアタッチメント対象(身近な父親や養育者など)の重要性については、過小評価していたという考えもあります。
子どもたちのアタッチメントの対象が母親だけに集中し扱われると、とても抱えきれない子育ての連続になりそうです。やはりワンオペ育児の弊害にも注目し、アタッチメント理論は展開される必要性を感じます。
ボウルビィの愛着理論(アタッチメント理論)とは?
アタッチメントの障害
この無秩序・無方向型タイプの子どもは、高ストレス水準や過覚醒状態を経験していて、「無力さ」および「敵意ある行動」を示すといわれています。そして彼らが受ける養育はしばしば一貫しておらず、混乱し、怯えさせられ、調整不全を感じたまま放置されることも多いと考えられています。
子育てには親子の組み合わせによって、様々な関係性や養育パターンが構築されるものと思います。親としては「うまくいったり」「楽しかったり」「難しかったり」「悩んだり」・・・いろんな体験を伴うものです。たとえ同じ「きょうだい」であっても、親との関係性は全く違うパターンもあります。アタッチメント理論では子どもの遺伝的な要素以上に、親の存在の質や子どもに対する親の行動の違いに注目されているということです。
グレイアム・ミュージック「子どものこころの発達を支えるもの -アタッチメントと神経科学、そして精神分析の出会うところ」2016 誠信書房.
第1章 序論:群盲象を評す
第2章 命の始まり:受精から誕生まで
第3章 関係性の中に生まれてくる
第4章 共感、自己、そして他者のこころ
第5章 アタッチメント
第6章 生物学と脳
第7章 言語、言葉、そして象徴
第8章 記憶:自分が何者で、何を期待するのかについて学ぶ
第9章 遊び:楽しみ、象徴化、練習、そしてふざけること
第10章 大人に向かって
第11章 トラウマ、ネグレクト、そしてその影響
第12章 遺伝子、素質と養育
第13章 本書のまとめ:早期の体験とその長期的な結末
アリシア・F・リーバーマン、パトリシア・ヴァン・ホーン「子どもー親心理療法 トラウマを受けた早期愛着関係の修復」2014 福村出版.
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