人の発達は・・・
人にはそれぞれ持って生まれた素質があったり、おかれた環境も千差万別です。そんな中、遺伝子の特徴などは重要であると考えられますが、その人がどんな経験をするかによって遺伝的潜在要素をオンにもオフにもすると考えられています。
本当なら生きていく上で発達面でマイナスになるような遺伝子を「オン」にはしたくないけど、それは・・・
もともと発達的課題がある遺伝子を持っている場合はどうしたら良いのですか?
複数の子どもを出産し、子育てをして初めて知ることがあります。それは母親・父親が同じ「きょうだい」でも組み合わせによって、全然違う特徴を持って生まれてくるということです。部分部分は医学的に類似したものが隠されていたとしても、性別の違いを超えて強烈な違いが感じられることがあります。
見た目の違いや行動特性の違い、感じ方の違い・・・など数えたらきりがないくらいです。
人生最早期の環境が「人の発達」に大きなインパクトを与えるということは、よく知られた事実です。自分自身の幼少期のエピソードや成人して体験した子育てのあり方が、とても参考になることがあります。
苦しい時代の子育てについて
私の子どもがまだ乳幼児期であった頃を振り返ると、とても安定的で幸せに満ち足りた状況ではなかったと記憶しています。一生懸命だったけど、幼い子どもたちにとっては、とても良好な家庭環境であったとは思えない。もしかしたら「生きづらさ」につながるような心的外傷を与えてしまうような出来事もあったかも知れません。
当時は失業したり、転居を繰り返したり、夫婦間の葛藤、親世代との価値観のすれ違い・・・など人生の危機が度重なっていたと思います。
改めて人生の危機に遭遇する時の追い込まれ方については、言葉には言い尽くされない部分があります。もしも幼い子どもとともに生活している世代であれば、大人以上の配慮と支えが必要になってきます。身近な人が助けられる場面もあると思いますが、社会的な制度(=マクロな社会システム)が次世代の今後を「助けることも、苦しめることもできる」のだと感じています。アラ還の私にとっては血縁関係はなくても、幼い子どもたちにとって少しでも良いスタートが切れるような環境を守っていきたいと考えているところです。
グレイアム・ミュージック「子どものこころの発達を支えるもの -アタッチメントと神経科学、そして精神分析の出会うところ」2016 誠信書房.
第1章 序論:群盲象を評す
第2章 命の始まり:受精から誕生まで
第3章 関係性の中に生まれてくる
第4章 共感、自己、そして他者のこころ
第5章 アタッチメント
第6章 生物学と脳
第7章 言語、言葉、そして象徴
第8章 記憶:自分が何者で、何を期待するのかについて学ぶ
第9章 遊び:楽しみ、象徴化、練習、そしてふざけること
第10章 大人に向かって
第11章 トラウマ、ネグレクト、そしてその影響
第12章 遺伝子、素質と養育
第13章 本書のまとめ:早期の体験とその長期的な結末
アリシア・F・リーバーマン、パトリシア・ヴァン・ホーン「子どもー親心理療法 トラウマを受けた早期愛着関係の修復」2014 福村出版.
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