英国のハミルトン[Hamilton,Max]はどんな人?
ハミルトンうつ病評価尺度(Hamilton’s rating scale for depression)を作成した人物で、この尺度は全世界に広く用いられ、うつ病もしくはうつ状態と診断を決定した後に、その重症度を数量化する目的に使用する尺度になっています。
ハミルトンの業績:HAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)とは?
HAM-Dは成人向けに作成された検査で、専門家との面談で検査を行っています(所要時間:約10分~20分程度)
17項目の質問検査
1 抑うつ気分 (Depressed Mood)
2 罪責感 (Feelings of Guilt)
3 自殺傾向 (Suicide)
4 入眠障害 (Insomnia Early)
5 熟眠障害 (Insomnia Middle)
6 早朝睡眠障害 (Insomnia Late)
7 仕事と活動 (Work and Activities)
8 精神運動抑制 (Retardation:Psychomotor):
思考や会話が遅くなる、集中力が落ちる、自発的運動の現象
9 焦燥 (Agitation)
10 精神的不安 (Anxiety Psychological)
11 身体的不安 (Anxiety Somatic):胃腸症状や動悸、頭痛、過呼吸など不安に伴う身体症状
12 消化器系身体症状 (Gastrointestinal)
13 一般的な身体症状 (Somatic Symptoms General)
14 生殖器症状 (Genital Symptoms):性欲の低下、生理不順など
15 心気症 (Hypochondriasis)
16 体重減少 (Loss of Weight)
17 病識 (Insight)
評価の目安
0点~7点:正常 (Normal)
8点~13点:軽症 (Mild Depression)
14点~18点:中等症 (Moderate Depression)
19点~22点:重症 (Severe Depression)
23点以上:最重症 (Very Severe Depression)
改訂前の項目は・・・
抑うつ気分、罪業、自殺、入眠障害、熟睡障害、早朝睡眠障害、仕事と興味、精神運動抑制、激越、精神的不安定、身体的不安、消化器等の身体症状、一般的な身体症状、生殖器症状、心気症、体重減少、病識、日内変動、離人症、妄想症状、強迫症状などでした。
福島 章 編(1996)精神分析の知 88, 新書館.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(1999)カウンセリング辞典, ミネルヴァ書房.
中島 義明・子安 増生 他 編(1999)心理学辞典, 有斐閣.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(2004)心理臨床大事典 改訂版, 培風館.
下山 晴彦 編(2014)誠信 心理学辞典 [ 新版 ], 誠信書房.
IPSA心理学大学院 予備校(2022)公認心理師試験対策標準テキスト ’22~’23年版, 秀和システム.
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