Essay のんびり気の向くままに:日本人にあった食生活や生活習慣について考える

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電子書籍で奥田 昌子 先生の「欧米人とはこんなに違った 日本人の『体質』」を読み終えました。本書では科学的な事実に基づいた「正しいがんや生活習慣病の予防」について学ぶことができます。

目次

自分(=日本人)にあった食生活や生活習慣について考える

和食が支えた日本人の健康と長寿

日本人の健康には和食が大きな役割を果たしています

日本人の最大の強みは動脈硬化になりにくいことです。その原因の一つは遺伝で、日本人は欧米人と比べて善玉コレステロール(HDL)が約10%多いというデータがあります。

日本では EPAとDHA がとくに多いサバ、イワシ、ブリ、ウナギなどの魚が日本の沿岸で獲れるため、私たちは魚のおかげで動脈硬化が進みにくい体になり、それを代々受け継いできたといいます。

日本人の二つめの強みは腸内環境がきれいなことです。日本人の腸がきれいなのは、昔から食物繊維をしっかりとってきたからと考えられています。食物繊維は善玉菌の餌になり、悪玉菌が作る悪い物質を体から追い出してくれます。

人種によって異なる体内環境

筋肉のつきかたや脂肪の質、体温、食べた物を消化する力、アルコールを分解する力、ホルモンや酵素の量、胃の形から腸内環境まで、人種による違いは体の中にはたくさんあります。

日本人の胃は穀物を食べるようにできている

日本人の主食は米をはじめとする穀物です。そのため日本人の胃は縦に長くなり、食べたものをためて、十分に砕いてから腸に送り出すようになりました。これに対して欧米人の食生活は肉と乳製品が中心で、脂肪と蛋白質です。欧米人の胃は胃酸を大量に出して胃での処理を手早く終えると、胃の筋肉をしっかり使って食べたものをスムーズに腸に送れる形に進化しました。

牛乳を消化する力には人種差がある
〜色が濃いほど、牛乳の消化が苦手な人が多い〜

伝統食には先人の知恵が詰まっている

日本人の最大の弱点は、おなかに内臓脂肪がつきやすいことです。内臓脂肪は悪い物質を作って高血圧、糖尿病、脳梗塞や心筋梗塞など生活習慣病全般の原因となり、大腸がん、肝臓がん、膵臓がん、乳がん、さらには認知症の発生にも関わっています。

実は昔の日本人には内臓脂肪がほとんどついていませんでした。それが変化したのが1960~80年代のことです。食の欧米化が進み、脂肪の摂取量が増え、米を以前ほど食べなくなって、食物繊維の摂取量が減るにつれて日本人の内臓脂肪が増えました。

最近になって、人種による体質の違いに関する研究が進み、2016年には日本人の標準的な遺伝子配列が解明されました。膨大な研究から明らかになったのは、脂肪を含む肉や乳製品を少ししかとらず、魚と大豆を多く食べ、穀物と野菜、海藻から食物繊維をしっかり摂取する日本の伝統的な食生活は、内臓脂肪を増やしにくいということでした。

主食は精米していない玄米がおすすめ

*玄米は食物繊維が白米の7倍も多く、内臓脂肪の燃焼を助ける成分も豊富に含まれています。

*大豆と小魚、そして日本で昔から食べられている緑黄色野菜は骨を強くします。

豆腐などの大豆製品を多く摂取する女性は乳がんの危険が 3分の1 になることも示されています。

「体質」が違えば「健康法」も異なる:伝統的な食生活は民族の知恵

奥田 昌子 先生の記事はこちらです

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