Essay のんびり気の向くままに:我が家という箱を利用してサイズがでかい箱庭療法か?

湿度の塊が全身にまとわりついて離れない。
なのに雨は降らないで、どこに雲隠れしているのだろうか。
おそらく本格的な梅雨はこれからなのだろう。
「あんまり降らないな〜」と侮っていると、熱帯雨林化している現在の日本を甘くみているとお叱りを受けそうだ。

私は無職をいいことに YouTube で連日、雑草退治や庭づくりの動画などを視聴している。
「夏の草花」や「楽にできる庭改造」・・・などのワードをひたすら追っかけている。

メンテナンス不要の庭づくりとは?
今は比較的元気にしゃがんだり、掘ったり、運んだり、ホームセンターに行ったりできているけれど、今後のことを考えると「何もしなくても大丈夫!」という状況にもっていきたい。
そんなものはあるのだろうか?

まずは雑草が生える余地を与えないことが必須条件となりそうだ。
私は年々、土がむき出しになった部分をジリジリと減少させ、購入したレンガをパズルのようにはめ込んでいる。
それでもわずかな隙間から小さな草がぴょこぴょこと生まれ出てくる。
小さなか弱いものは何とかなるけれど、我が家のアプローチには強敵な「ワイヤープランツ」という存在が自由気ままな生育を続けて衰えを知らない。

たった1株のプランツが始まり。
これを放置している駐車場まで侵入してくる。気がついた時には早めにカットしておかないと一面緑の点描画と化してしまう。
根こそぎ対峙することも一案だけれど、深く根を張った今は容易な作業ではない。
諦めて表面だけをカットし過ごしている。この作業は今、邪魔くさい家事の一部となっているけれど、理容師・美容師の皆さんがヘアカットする姿を想像しながら実施すると、なかなか面白い。
本物の人間や人形をモデルにカットしていると取り返しがつかないことになるところ、ワイヤープランツなら「ぜんぜん大丈夫! 好きなだけやって!」と余裕な態度で臨んでくる。

生命力の強さに拍手ではありますが、今のところはこのプランツのおかげで、近くの公園から飛散してくる数々の種との戦いに圧勝という状況になっています。

私は仕方なくわずかな隙間を利用して季節の花の苗を埋め込んでガーデニングを楽しんでいます。
初夏はクーラーのかかった室内が極楽のようではありますが、どうも自宅でのんびりするのは苦手なようなのです。

のんびり気の向くまま、ぼんやりすることは生来苦手な人間なのかもしれません。
身体を動かしている方が安楽で私らしい。
一日中デスクワークをしておられる方々はスゴイな〜と感じています。
私の場合は何かと用事を見つけて椅子から離れ、トイレに行ったりお茶を飲んだりしてしまうのです。

アラカンになってようやく職業適性を自身で分析することができたような気分です。
「身体を動かす仕事がしたい」

庭掃除には中毒性があります。
またまたホームセンターで砂利を購入しました。2袋も。
事前にレンガの隙間から這い出してくる、藻のような、ワカメのような、苔のような植物を抜き切って
地球の水平面を勘案して、凸凹を埋めるべく小石を大量に撒いてみました。
これで水溜まりが発生することは回避できます。石は隙間にフィットするように体重を利用して踏み固めていきます。

せっかく動画で事前学習をしているのに、我流すぎてどうなることか。
抜いて、撒いて、抜いて、撒いて
削除して、種撒いて
断念して、新たに生み出して
整地して、再出発・・・

天気が良ければ、我が家という箱を利用してサンドプレイ(=これはサイズがでかい箱庭療法か?)をやり続けています。近年、こんなに夢中になってやり続けていることなんてあっただろうか。

自分の土を振り出しに戻って創る。
自分の本当の居場所を再追跡する。
自分の微々たる可能性を種からもう一度育てる。

そんな中高年の覚悟が背景にあるのではないだろうか?
したたかに、のんびり気の向くままに・・・

種のまき方教室
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