漆塗りdeヴォルテール
漆の木から滲み出てくる気高いラッカーゼ・・・
酸化し乾燥すると塗膜が硬くなって、油に耐え、酸に耐え、アルカリ性の塗料となる。
本来の彼なら相手を選ぶ。高級家具や漆器、美術工芸品・・・などなど
これは宮中の生活にふさわしいものだろう。
漆は gomagoma のような庶民の手に渡ると大変なことになる。
扱いがわからないのだ。痛覚以上の痒覚・・耐えがたい。
上流ブルジョア出身のヴォルテール。
自由なる思想家の影響を大いに受けて、社会を風刺した詩を書いたという。
バスティーユに投獄されたという経験からして、命をかけた覚悟なるものを感じさせる。
これは「人間の理性を信頼し、自由を信奉した」ということだろう。
今、アナタとワタシが存在する世界では、安全なるものが最も優先される。
つまり自分を守ることに大部分のエネルギーを注いでいるということだ。
それは当然のことだし、何も悪いことではない。
でも時には扱いにくい漆を駆使することで、何世代にも受け継がれる器や家具、建築物や歴史を生み出すことも出来るのではないだろうか。
本当は gomagoma にも、ここぞという時に自動化できる勇気が欲しいのだ。
言葉の解説
漆塗りは、漆の木の分泌物を主成分として、ラッカーゼの酸化重合・常温乾燥させた塗料のことをいいます。塗膜が硬く耐油や耐酸・アルカリ性に優れ、家具や工芸品などに使用されています。
ヴォルテールは18世紀のフランスを代表する啓蒙思想家・文学者で、『哲学書簡』『寛容論』『カンディド』などの多くの著作を通じて、啓蒙専制君主に大きな影響を与えました。
鬱金色の衣はウロボロス的な僧侶だけのもの?
【 浅葱色のアナタ、勿忘草のワタシ 〜gomagomaの色立体から〜 】
鬱金色のターメリックの香りに包まれてインド以外の国を連想することは難しいだろう。
「別名マリーゴールドイエロー」というと何だか軽快な印象を与えてしまうけれど、実は重厚で高貴な色だったようだ。
僧侶が何か宗教的な儀式を行うとき、この色の衣に全てを委ねてお経を唱えている姿を見たことがあるような気がする。
red に燃えた太陽の光が地球に到達する頃、この鬱金がやってくる。
gomagoma は今のところ無宗教でこれから何を信仰すればよいのか思案中だけれど、とても壮大なテーマがこの色に隠されているように思う。
世の中では対立する物や人や概念に満ち溢れ、本当に疲れますね〜
そんなに戦わなくてもいいのに・・・
はじまりのようで終わりであり、長いようで短い。
「どうでもいいようでも無視できない」大切なものが何処かにありそうな気がする。
僧侶ならば日々の修行のおかげでウロボロスのような完全なる存在を垣間見ることができるのではないだろうか?
いや、そんな簡単ではないにしても生きている間に少しでも「これでよし」と思える何かを体験してみたいもの。
普通に生きること・・・すなわち、これが修行。
家に一着だけありました鬱金色の服が・・
あまり似合ってなさそうでずっと着用することを躊躇していたけれど、この冬勇気を出して着てみることにします。
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