ダイエット作戦 No.6：食事制限すると本当に健康になるのか？

食事制限をすると健康になる？　寿命がのびる？

アカゲザルを対象にした研究

動物実験では食事制限すると、老化を遅らせ健康寿命をのばすことができるという研究結果が出ています。

2009年 ウィスコンシン大学で発表された老年のアカゲザルを対象にした研究では、自由に食べていたグループでは50％の生存率だったところ、カロリー制限をしたグループでは80％の生存率だったといいます。

食事制限するとどうなる？

がんや糖尿病、動脈硬化などの加齢によって引き起こされる疾患の発生が遅くなります。加齢による老化のスピードを速めないためにも、栄養バランスのとれた食事制限と適度な運動が必要です。

肥満症状のガイドライン：世界保健機構（WHO）

栄養素の配分を、糖質 55〜60％以上、脂質 20〜30％以下、タンパク質 15％以上と定めています。

日本肥満学会では、糖質 60％、脂質 20〜25％、タンパク質 15〜20％となっています。

極端な糖質制限は健康を害する可能性もあります

糖質を制限することによってタンパク質の割合が増えて、タンパク質を過剰に摂取してしまいます。

タンパク質を体内で代謝したときに尿素や窒素などが生み出されます。この尿素や窒素が過剰になってくると腎臓にある濾過機能を持つ糸球体の負担が増え、腎臓機能に障害がある人の症状を悪化させる可能性があると考えられています。

文 献

木村 直之 編（2021）Newton 別冊 健康にやせるための科学知識, ニュートン プレス．