オルポート兄弟はどんな人物?
Allport,Floyd Henry;1890〜1978(兄)
アメリカの心理学者で、1919年にハーヴァード大学で博士号を取得後、ノースカロライナ大学の教授となり、長くはシラキュース大学で教鞭をとっていました。彼はAllport,Gordon Willardの兄にあたります。
Allport,Gordon Willard;1897〜1967(弟)
アメリカの心理学者で、1922年にハーヴァード大学で学位を取得しました。1924年には母校に戻り、ダートマス大学での2年間を除いて、生涯母校で教鞭をとったといいます。
オルポート兄弟の業績・理論とは?
Allport,Floyd Henry;1890〜1978(兄)
1924年に実験的研究や調査研究に重きを置いた「社会心理学」を執筆し、実験社会心理学の父と言われるようになりました。彼は「社会心理学は個人心理学の一分野である」と主張し、「集団心」の考え方を「集団錯誤」として排したことは有名です。また規範的行動に関する「Jカーブ仮説」の提唱者としても知られています。
社会心理学の具体的な研究として、「社会的態度」や「同調行動」等を扱ったものがあります。
Allport,Gordon Willard;1897〜1967(弟)
パーソナリティの研究を中心に「人格心理学」「人格と社会の出会い」などを出版しました。また社会心理学の分野でも「偏見の心理」や「流言」などに関して優れた業績を残しています。
彼はアメリカ心理学会(APA)会長をはじめ、多くの要職に就き心理学の発展に寄与した人物です。
人間を一つのまとまった存在たらしめる原理として「自己」に中心的な位置を与えて、学習された動機の重要性を論じました。また、人間を刺激反応の関係で見ることを拒んで、人間が動物であったり、統計量になったりするのは、そういう見方を選択した結果に他ならないということを説き、教えました。
福島 章 編(1996)精神分析の知 88, 新書館.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(1999)カウンセリング辞典, ミネルヴァ書房.
中島 義明・子安 増生 他 編(1999)心理学辞典, 有斐閣.
氏原 寛・山中 康裕 他 編(2004)心理臨床大事典 改訂版, 培風館.
下山 晴彦 編(2014)誠信 心理学辞典 [ 新版 ], 誠信書房.
IPSA心理学大学院 予備校(2022)公認心理師試験対策標準テキスト ’22~’23年版, 秀和システム.
コメント